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インプラントの種類

世界中には100種類以上のインプラントメーカーが存在します。
その中で、日本に導入されているものは20種類以上あります。

技術革新に伴い、既存のメーカーはニューバージョンを開発し、新しいメーカーは新規参入をしてきます。
歴史のある会社は実績とそれを参照した開発力で世界的に大きなシェアを占めています。
新規の会社は既存のインプラントを模倣したり、いいとこ取りをしたりして、新しいものを作ることが多いようです。

当院で扱うインプラントについて

各メーカーそれぞれ特徴があり、全てにおいて1番というシステムはありません。
力に対して優れたもの、審美性に優れたもの、術式が簡単なもの、費用が安価なもの、など同じインプラントメーカーでも、それぞれ狙いが違います。
また、最近のインプラントであれば、どれもオッセオインテグレーションタイプです。大枠はほとんど同じなので大きな違いはないと考えています。
いくつかのメーカーを過去に使い、現在も使っていますが、どれも良いシステムです。当院では、アストラテック社のアストラインプラント、JMM社のPOI EXインプラント、IMTEC社のMDIインプラントを使用します。それぞれ得意分野があり、症例に合った使い分けをしています。
新しく、良いインプラントが開発されれば、研修して、積極的に取り入れていきます。

アストラテックインプラント

昭和歯科・矯正歯科ではアストラテックインプラント (以下アストラインプラント)を主要インプラントとして、使用しています。
アストラインプラントはスウェーデンのアストラテック社で製造されている インプラントシステムです。
世界中で古くから使われ、高い実績をあげています。日本で認可がおり、使用されたのは1996年からとなっています。
インプラントは体の一部となるものであり、さらには長期間(10年以上)、常に機能しているものです。
そのため、当院ではこだわりをもって、アストラインプラントを選択して使用しています。
ここからは、アストラインプラントの特徴についてご紹介します。

免荷期間が6週間と短い。
インプラント治療には免荷期間というものがあります。 インプラント体と骨がオッセオインテグレーションするまでのある一定期間のことです。 インプラント埋入から免荷期間を経て、初めて上部構造が入り、噛めるようになります。
最新のアストラインプラントはオッセオスピードOsseoSpeedと呼ばれ、骨と結合が非常に早く、強い構造になっています。
その結果、2~3か月、長いと6か月必要とされてきた免荷期間が6週間で良いのです。
治療期間の短縮は患者さんにとって、大きな利益となると考えます。早いとインプラント埋入の1次手術から、7週間で治療終了までいきます。
辺縁骨が下がらない。
アストラインプラントの1番のウリは「辺縁骨が下がりにくい」ということです。この部分が安定しているので、安心してメインテンナスを行えます。
インプラントは天然歯と違い、歯ぐきの防御機構がありません。そのため清掃が悪かったり、力のバランスが悪かったりすると、経年的にインプラント周りの辺縁骨が下がりやすいのです。辺縁骨が下がると、インプラントの寿命にかかわることはもちろん、前歯であれば、 見た目に問題がでることがあります。
アストラインプラントのマイクロスレッドMicroThreadと言われる構造がこの特徴を作っています。
インプラント体の長さ、太さの種類が豊富。

各システム、インプラントの長さ、太さ、形状などいくつかのラインナップを持っています。
骨の状態や噛みあわせの強さなどによって、必要なインプラントは違ってきます。
その種類は多いほど、対応できる状況が増えることになります。
その中でも、インプラント体の長さが短いものと径が細いものは重宝します。
アストラインプラントでは長さは最短6mm、径は最小3mmがあります。
よって、症例の幅が拡がり、患者さんに優しい治療ができます。

2次手術が簡単。

インプラント治療において、2回法を選択した場合、2次手術が必要になります。その2次手術の際、処置の侵襲が小さいのが特徴です。アストラインプラントはインプラント体の頭の部分がプラットホームスイッチングをいう形をしており径が小さくなっています。そのため、ヒーリングアバットメントをつける際、少しの歯肉切開で済むのです。処置が簡単に済むということは患者さんにとっても、術者にとっても、うれしいことです。

アストラインプラントの特長を書きました。
しかし、実はいいことばかりではないのです。最大にして、唯一の弱点、それがコストです。
4大オリジナルインプラントは実績があり、人気がある分、ブランド力が働きます。
よって、他のインプラントシステムに比べ、割高になります。 良いインプラントを使いながら、患者さんにはできるだけ負担をかけないよう配慮しています。

アストラインプラントのデメリット
アストラインプラントの特長を書きましたが、最大にして、唯一の弱点、それがコストです。
4大オリジナルインプラントは実績があり、人気がある分、ブランド力が働きます。
よって、他のインプラントシステムに比べ、割高になります。 良いインプラントを使いながら、患者さんにはできるだけ負担をかけないよう配慮しています。

ミニインプラント

ミニインプラントとは径の細い(2.0mm程度)インプラントです。
一般のインプラントは埋入後、機能させるまで一定の免荷期間が必要なのに対して、ミニインプラントは埋入後、すぐに機能させられるのが特徴です。
また、ミニインプラントの埋入処置は細いので、侵襲が少なく、短時間で終わります。ミニインプラントは用途により3種類に分けられます。

01一般のインプラント同様、長期的に歯として使用する事を目的とするもの

#01
角ヘッドミニインプラント
欠損の幅が狭く、一般のインプラントが入らない部位に利用します。上顎側切歯と下顎前歯が適応となります。
埋入と同時に上部構造の型取りをします。全2回で治療を終了するシステムです。
#02
O-ball(オー・ボール)ミニインプラント
総義歯用のミニインプラントです。
一般的にはミニインプラントと言えば、O-ballミニインプラントのことを指す場合が多いようです。
適応はただ1つ、上下総義歯のとき。下顎前歯に4本ミニインプラントを入れます。 埋入当日に入れ歯の裏に装置を入れるとその日から食べられます。

02一般のインプラントが機能するまでの期間、斬間的に歯として使用する事を目的とするもの

一般のインプラントが機能するまでの免荷期間に使用します。 一般のインプラントとミニインプラントを同時に埋入します。
そのとき、ミニインプラントだけに仮歯をつけて、機能させます。オッセオインテグレーションを起こさないため、経年的に骨から緩み外れることになります。
昭和歯科・矯正歯科では現在、この斬間インプラントは行っておりません。

03歯列矯正を行う際、歯を動かすアンカーとして一時的に使用する事を目的とするもの

矯正用のミニインプラントです。①、②とは全く違い、歯として機能することはありません。
歯を移動させるには必ず、固定源(アンカー)が必要になります。アンカーを得るのが難しい部分矯正治療のとき、特に活躍します。
昭和歯科・矯正歯科ではプロ・シード社のデュアル・トップ オートスクリューと松風社のアブソアンカーを使用しています。

磁性インプラント

一般のインプラントではインプラント体の上部構造は歯と同様の形態になります。
磁性インプラントとは上部構造が磁性アタッチメントの一部になったものです。
取り外し式の入れ歯とのコンビネーションでコストパフォーマンスの高い、機能的なインプラント治療となります。

磁性アタッチメント

磁性アタッチメントは磁石の力を利用して、入れ歯の維持、安定を図る装置のひとつです。
基本形態としては、入れ歯に磁石を埋め込み、これにくっつくキーパーと呼ばれる磁性ステンレス鋼を歯の根やインプラント体に土台として埋め込みます。

磁性インプラントの目的は入れ歯の安定です。取り外し式の入れ歯には様々な問題点があります。
それを少ないインプラントで解決するのがこの治療の魅力です。多数歯欠損における欠損治療については入れ歯との決別に詳しく書いてあります。
磁性インプラントを利用した、取り外し式の入れ歯の利点は次の3つです。

#01
入れ歯の動きが最小限になります。
入れ歯治療の際、最も重要なことは「入れ歯の動きを小さくすること」です。
入れ歯による歯ぐきの痛み、入れ歯を支える歯への負担を大きく軽減します。残った歯を守ることが最大の利点です。
#02
磁石式の入れ歯は取り外しが快適です。
クラスプ(針金)式の入れ歯は取り外しにコツが必要ある場合が多くあります。
磁石式の入れ歯では取り外しの方向を気にする必要がありません。また、1度装着すれば、簡単には外れず、安定します。
#03
クラスプ(針金)がないため、自然な見た目となります。
設計によりますが、磁性インプラントで充分、入れ歯を維持できれば、クラスプは必要ありません。
入れ歯は体の一部となるものなので、見た目も大切な要素となります。
磁性インプラントの症例を1例示します。他にもご覧になりたい方は症例写真をご参照ください。
左下に2本磁性インプラントを利用しています。右下には自分の歯に磁性アタッチメントをつけました。
取り外し式の入れ歯ですが、すっきりしたシンプルな構造です。安定して、見た目にも優れた入れ歯ができました。
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