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小児矯正について

子どもの歯並びが気になる保護者の方は少なくありません。歯並びが悪いと見た目だけでなく、食べ物がうまく噛めなかったり、滑舌が悪くなったり、顔の歪みにつながったりします。 小児矯正は歯並びを整える目的と、あごの成長をコントロールし永久歯が正しい位置に生えるようにする目的があります。
大人になるとあごの成長が完了するため、症例によっては、抜歯や外科手術が必要になることも。子どもの歯並びが気になる場合は、早めに歯科医師に相談し、成長発育期に矯正治療を検討することが望ましいです。

お子さんの歯並び、気になりませんか?
~子供の歯並びチェック~

  • 鼻炎または喘息を持っている
  • いつも口がぽかんと開いている
  • 口で呼吸していることが多い
  • よくいびきをかく
  • 扁桃腺が頻繁に腫れる
  • すき間なく歯が生えている
  • 受け口になってしまっている

上記に心当たりがある場合、歯並びが悪くなる可能性があります。

歯並びが悪くなる原因「口呼吸」

子どもの歯並びが悪くなる原因の一つに、口呼吸が挙げられます。
通常、呼吸は鼻で行うもので、舌は「スポット」と呼ばれる位置に置かれています。これは、上の前歯の裏側にあり、舌がスポットに位置することで上あごの歯列を外側に広げます。
しかし、口呼吸になると舌は下あごまで下がり、頬の圧力によって上あごの歯列が狭くなって永久歯が生えるスペースが不足します。その結果、出っ歯やガタガタの歯並びが生じてしまうのです。
また、舌が下あごに位置すると、下あごが下方へ成長し、上下の奥歯でしっかり噛んでも前歯が開いてしまう開咬を生じたり、顔つきが変化したりすることもあります。

口呼吸によって引き起こされる悪影響

口呼吸はお口や全身に、以下のような悪影響を与えることがあります。

CASE01虫歯のリスクが上がる

口呼吸はお口の中が乾燥し、唾液の分泌量が減ります。唾液には殺菌作用・抗菌作用・自浄作用などがあり、口呼吸になるとその作用が弱まります。その結果、虫歯菌が繁殖しやすい環境になり、虫歯になりやすくなるのです。

CASE02口臭の原因になる

口臭の主な原因は、剥がれた粘膜や食べかすなどです。これらが舌の表面に溜まり、そこで細菌が繁殖すると匂いの元となる物質が作られます。
また口呼吸によってお口の中が乾燥すると、唾液の分泌量が減り、自浄作用・抗菌作用が弱まるため、口臭につながります。

CASE03風邪をひきやすくなる

鼻には鼻毛や繊毛(せんもう)があり、細菌やウイルスの侵入を防ぐフィルターの役割があります。それにより、鼻呼吸は感染症のリスクを軽減しているのです。また、吸った空気を適度な温度と湿度に保つ、加温・加湿の役割も備わっており、肺への負担を軽減します。
口呼吸になると、そのような作用が期待できないため、風邪をひきやすくなるのです。

子供の矯正時期について

顎の成長を活かした矯正が選択できます

  • 第1期矯正(3歳頃~)

    1期治療では、あごの骨の成長をコントロールし、骨の形やバランスを整えて永久歯が正しい位置に生えてくるように誘導します。この治療は、あごの成長のピークを迎える前(およそ7〜12歳)の時期でないとできません。
    また、指しゃぶりや口呼吸など悪い癖によって歯並びが乱れている場合は、これらの癖を改善するトレーニングを行うこともあります。

  • 第2期矯正(12歳頃~)

    2期治療では、成人矯正と同じように生え揃った永久歯をそれぞれ移動させて、歯並びとかみ合わせを整えます。1期治療で十分に歯並びが整えられなかった場合に2期治療へ移行します。

小児矯正は、乳歯と永久歯が混合している時期に行う「1期治療」と、永久歯が生え揃ってから歯並びを整える「2期治療」に分けられます。 ただ、必ずしも1期治療から始める必要はありません。症例によって適切な治療開始時期は異なり、あごの成長が完了するのを待ってから2期治療を始めることもあります。

第1期矯正について

機能的装置乳歯列で行える特殊な治療法

1期治療では、あごの成長をコントロールする治療や、指しゃぶりといった悪い癖を改善する治療が行われます。1期治療は基本的に、乳歯と永久歯が混合している時期(6〜12歳頃)に行いますが、受け口や口呼吸といった症例は必要に応じて乳歯列期(3〜5歳頃)から治療を開始した方が良い場合もあります。
乳歯列期の矯正では、「ムーシールド」や「プレオルソ」といった就寝時にのみ使用する装置を用いて、受け口や口呼吸などを改善していきます。受け口や口呼吸が見られる場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。

Before

After

主訴
下顎前歯がガタガタに生えてきた
治療方法
床矯正とマルチブラケットによる第1期矯正治療
費用
390,000円(税別)
備考
永久歯列完成後に第2期矯正治療が必要になる場合があります。

第2期矯正について

機能的装置大人と同じような矯正方法を実施

永久歯が生え揃う15歳頃から行う矯正治療です。使用する装置は成人矯正と同じで、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯並びとかみ合わせを整えます。 また1期治療から移行することによって、永久歯が正しい位置に生えるようになり、場合によっては2期治療が必要なくなったり、行なったとしても短期間で済んだり、抜歯せずに歯並びを整えられたりする可能性が高くなります。

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