大臼歯のダイレクトボンディング 症例|福岡市西区の歯医者

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症例

大臼歯のダイレクトボンディング 症例

2019.09.02

こんにちは。福岡市西区昭和歯科医院・院長の木南意澄です。
症例を供覧する機会は3回目になります。
今回は当院の日常臨床で最も多い奥歯のダイレクトボンディングの症例です。

ダイレクトボンディングとは

むし歯修復治療の1種です。むし歯菌に感染した歯質を除去して、ハイブリッドセラミックスを充填する方法です。歯型を取る間接法とは異なり、むし歯を取った後の形態回復が即時で行う直接法であることが特徴になります。最大の利点はむし歯治療の際に行う歯質の切削量が最小なことです。1本単位のむし歯治療において、歯質の保存が歯の寿命を最も延長できると考えています。よって、当院ではむし歯修復治療としてダイレクトボンディングを推奨しており、最も多い治療になります。

今回の症例について

患者は21歳男性、九州大学の学生です。近くに九州大学があるので、当院の患者の3割近くは九大生です。初診は2018年3月6日、むし歯治療を主訴に来院されました。以前にかかっていた歯医者からむし歯が多数あるため治療の必要があると言われていました。しかし、引っ越すことになり、福岡市西区九大学研都市近くで精密なむし歯修復治療を行う歯科医院を探していました。しみるや痛いなどの症状があるむし歯はありませんでしたが、前医の指摘通り、むし歯が多数ありました。


当院では進行中のむし歯がある場合、むし歯予防から始めます。むし歯になり続ける環境から脱出するために食生活の見直しやフッ素やクロルヘキシジンの化学療法を行います。これらの習慣が定着してから、本当に削って治療しなければならないむし歯を決定し、治療法の選択をします。

ダイレクトボンディングによるむし歯修復治療が必要な歯が7本ありました。今回は右上5,6,7の3本に絞って 特に7についてお話しします。便宜上以下、右上第2小臼歯を5、右上第1大臼歯を6、右上第2大臼歯を7とします。

右上7番について

7は5年前にプラスチックによる修復治療がされていました。レントゲンで診査をした結果、歯とプラスチックの隙間からむし歯になっていました。また、歯髄(歯の神経)にむし歯が近接しており、歯髄を扱う処置が必要な可能性がありました。これらのことを説明して、同意の上、処置を開始しました。

治療開始1回目

処置の1日目は2018年4月26日です。
古いプラスチックを除去して、むし歯を検出する液体をつけると陽性反応がでました。写真でピンクに染まっている部分です。むし歯菌に感染した歯質を慎重に除去します。

慎重に少しずつ、削っていましたが、治療前に診断した通り、歯髄が露出しました。歯髄が生きているか診断するために歯髄腔をやや拡げ、マイクロスコープにて歯髄の状態を診査しました。診断の結果、歯髄は生きていたので、MTAセメントによる直接覆髄を行いました。MTAセメントには硬化時間の短いBIO MTAを用いました。

歯髄が露出しました。これを露髄といいます。

歯髄は血行があり、健康な状態で保存可能の診断しました。


MTAセメントで露髄した部分を閉鎖します。

MTAセメントの硬化を確認後、ダイレクトボンディングを行います。


直接覆髄が終わったら、高接着システムのメガボンド2を用いたボンディングを行います。ハイブリッドセラミックスをマイクロスコープ下で丁寧に充填します。1日目はこれで治療終了です。かかった時間はおよそ1時間半です。

MTAセメントの上にグラスアイオノマーセメントを
充填したところ。

本物の歯に極力類似させたダイレクトボンディングの完成です。


治療 2回目


直接覆髄後の症状を確認するため、様子を見ました。
2019年5月16日
近心(6に近い方側)の隣接面にも小さなむし歯があったため、セパレーター法を用いてダイレクトボンディングを行いました。セパレーターはYDM社のアイボリータイプです。レントゲンで歯髄の状態と充填精度を確認しました。どちらも問題なく良好でした。



6,5は後日ダイレクトボンディングを行いました。
終了したのが、2018年6月11日です。

その他のむし歯の治療が終了後、3か月に1度の定期健診を行いました。
そして、先日(2019年8月26日)、治療終了後1年に写真とレントゲンにて再評価をしました。
歯髄には生活反応があり、ダイレクトボンディングを行った部位に脱離、破折、2次むし歯などの問題はありませんでした。


まだ、1年なので当然ですが、他のむし歯治療の方法に比べ、圧倒的に成績が良いと感じています。
今後も新しいむし歯の予防とダイレクトボンディング部の状態をメインテナンスしていきます。