予防歯科・メインテナンス|福岡市西区の歯医者|昭和歯科医院

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予防歯科・メインテナンス

予防歯科と定期検診

予防歯科と定期検診

「ここの詰め物と歯の間がむし歯になっているみたいですね。」
『そうですか、歯みがき、がんばっているつもりなんですけど・・・』
残念ながら、数年前まで日常にあった私と患者さんの会話です。
歯をできるだけ抜かない、削らないをポリシーにしている私にとって、考えさせられるどうにかしたい大きな課題でした。

定期検診で多くの患者さんを診ていると気づくことがあります。
数年に何本かずつ、むし歯になったり、歯周病になったりする方がいる一方、10年間治療が必要にならない方もたくさんいます。

もちろん、歯みがきの上手下手は関係します。しかし、歯みがきを熱心にされていても、歯が悪くなる方、歯みがきはそこそこでも、治療に至らない方、
これらの方々は同数くらいいらっしゃり、決して珍しくありません。歯みがきの良し悪しだけでは決して説明できない何かの存在を感じていました。
そこで、私が目をつけたのが「予防歯科」という分野です。若い頃から、インプラントや歯列矯正、最新のむし歯治療などはたくさん研修を受けてきました。現在では教える立場のインストラクターになっている治療分野もいくつかあります。そんな私が目線を変えて、予防について本格的に勉強を始めたのが2009年。予防歯科についての先進国はスウェーデンやフィンランドをはじめとする北欧諸国です。歯科だけでなく、医療福祉が充実した国家として、ご存知の方も多いことでしょう。そこには日本とは全く違った歯科事情がありました。北欧人は生涯ほとんど歯を失うことがないため、取り外し式の入れ歯の概念はありません。

なぜ、スウェーデン人は歯を失わないのでしょうか?むし歯になりにくい人種ということはありませんし、ましてや歯みがきが大好きな国民でもありません。当然、甘いものも食べますし、たまには歯みがきもサボるような、ごく普通の生活を送っています。それでも、むし歯にならないのは、日本人と決定的な違いがあるからです。細かい要素はたくさんありますが、私が導きだした最小限にして最重要な答えはたった2つ。それは「徹底したリスク管理」と「適切なメインテナンス」です。これらを形にして、皆さんに提供できるシステムにしたものを詳しく述べています。
予防で良い結果を得るのに何より大切なのは “早期に始めること”です。あなたが今当たり前に感じている、歯について悩まない、快適な生活は、実ははかなく、もろいものです。『予防歯科で歯を守ることによって、あなたの生涯の幸せに少しでも手を貸したい』この想いがたくさん叶っていけば、これ以上、嬉しいことはありません。

一般的な歯科治療だけでは守れない

一般的な歯科治療だけでは守れない

左のイラストは一般的な歯科治療の問題点を表したものです。水が溢れて、女性の部屋が水浸しになっています。最初は落ちてくる水も少しだったので、自分で拭き取っていました。しかし、時と共に水の量が増え、自分の掃除だけでは間に合わなくなります。部屋に水が溜まり、家も傷むし、生活も不便なので、専門家に依頼することにしました。 

さて、あなたなら、何を直してもらいますか?確かに部屋が水浸しは嫌ですから、早めに水は取って、きれいにして欲しいところです。

でも、何より気になるのは水がしたたり落ち続けていることではないでしょうか?たとえそれが少しずつだとしても、水漏れの原因を追究して、修理するのが第1のはずです。一般的な歯科治療はこのイラストに例えると、下に落ちた水を拭くことです。むし歯だけ治療して、むし歯になった原因については追究しません。このイラストで言う水が溢れてきている原因には触れないということです。中長期的に歯を守ろうと考えたとき、それではダメなことが誰にでもわかるはずです。だから、日本人はむし歯や歯周病の再発を繰り返し、その結果、歯を失う確率が高いのです。
もちろん、応急的な処置は必要ですが、むし歯を取って埋める前にすることがあります。歯が悪くなった原因を診査診断すること、もっと言えば、悪くなった原因を改善することです。『まず、水漏れの原因を調べて、改善しませんか?』『まず、今までのことも含め、歯が悪くなってきている原因を調べて、改善してみませんか?』加齢や老化だけで歯が悪くなることはありません。そこには改善可能な明確な原因があるのです。

むし歯の本当の意味

  • むし歯の本当の意味
  • むし歯の本当の意味
  • むし歯の本当の意味
  • むし歯の本当の意味

①は20歳の患者さんのむし歯の状態です。矢印で示した歯と歯の間に比較的大きな象牙質う蝕(むし歯)を認めます。このむし歯は進行性で、不可逆的と診断し、むし歯の部分を除去後、修復治療を行いました(②③)。ここまでは従来型の一般的な歯科治療です。この治療した歯は小臼歯という歯で、10歳前後で永久歯として生えます。20歳でこの程度のむし歯ができた事実から、この人のむし歯について現在、未来が推察できます。他の小臼歯やそれ以前に生えた永久歯もむし歯になっている。基本的にむし歯は全体に一様に進行します。10歳以降に生えた永久歯も数年後にむし歯になる。今日は目に見えないむし歯になりかけの歯が、明日には小さな穴が空いているかもしれません。

今回、治療した小臼歯も10年以内に2次むし歯になる。どんなに精密に修復しても、少しは隙間があるので、どんどん治療間隔は短縮されます。ここ10年の環境をそのまま継続したら、近い将来、ほぼ確実に④のようになります。「歯みがきをもっとがんばろう」だけでは変えられない未来です。しかし、むし歯のリスクを調べて、低減できれば、むし歯は防げます。それは意外と歯みがきをがんばるより簡単かもしれません。 
スウェーデン人の90%以上が取り組めていることですから、そんなに難しいことなわけがありません。リスク管理なしのむし歯治療は問題を先送りしているだけということがお分かりいただけたでしょうか。日本の高齢者は歯で困っている人がたくさんいます。「次はあなたの番です」にならないように、今から予防歯科について考えて下さい。

歯を失う原因となる病気

歯を失う原因となる病気

歯を失う原因になる病気は主に3つで歯周病、むし歯、破折です。それぞれどんな病態かイメージできるでしょうか。歯周病は歯を支える骨と歯ぐきがなくなっていく病気で、最期はぐらぐらになります。

むし歯はご存知でしょう、歯質がなくなっていく、『ザ・歯の病気』です。でも、最終的にはどうなるか、ご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。むし歯による最期は多くの場合、根っこだけになります。

歯を失う原因の病気としては歯周病が最も多く、次にむし歯、3番目に破折となります。上のグラフのように、日本においては歯周病とむし歯で「歯を失う病因」全体の4分の3を占めます。その次に多いのが歯の破折です。その中でも根っこの部分が割れる歯根破折が抜歯の原因になります。単純に事故や硬いものを噛むことで起こるものもありますが、そのほとんどは他に要因があります。噛み合わせにより、力が集中した状態が継続することで起こります。実はこれが最も厄介です。なぜなら、歯周病やむし歯と違い、予防が難しいからです。それでは、これらの歯の病気には明確な原因があるでしょうか?当然、あります。歯が悪くなる原因は大きく分けると2つです。炎症と力のコントロール、歯科界では合言葉のように昔から言われている2つの歯を悪くする原因です。この2つをしっかり管理できれば、歯は悪くなりません。専門用語でいうと炎症と力です。炎症とは細菌感染、歯周病菌やむし歯菌が局所で増え、悪さをすることです。力とは不適切な力のことで、噛み合わせや噛む力に関わる要素になります。

北欧式先制防御型予防システム

北欧式先制防御型予防システム

「生涯、歯と体を守るため」の予防システムについて説明します。その前に予防歯科において、非常に重要なことをお話します。それは『何より継続することが大切』ということです。一生懸命1年間だけ行っても、あまり意味がありません。多少、緩くても10年、20年と続けることが大切です。歯を使った生活を続けている限り、一生管理が必要になります。

しかし、何事も続けることは大変です、それは重々承知しています。
そこで、数年の試行錯誤を経て、シンプルなシステムにたどり着きました。
むし歯と歯周病をきちんと予防して、歯と体を守ることを達成しつつ、できるだけ、皆さんが長期的にも負担に感じないシステムです。

当院の北欧式先制防御型予防システムで行うのはたった2つです。
1. 定期メインテナンス
2. カリオグラムの管理
この2つを徹底することで歯と体の健康を守ります。

定期メインテナンス

定期メインテナンス

「治療が終わっても、歯医者に定期検診に通うと良い」こんな話を聞いたことありませんか?歯に対して意識の高い方は既に実行されているかもしれません。むし歯と歯周病の予防において、最も効果的なのが定期メインテナンスです。歯科の定期検診率はスウェーデン90%、アメリカ80%、日本はたったの2%です。アメリカでは年収200万円程度の低所得層でも、ほぼ全員、年間5万円程度の検診費を捻出します。歯は食べるためだけのものではなく、見た目、代わりがないもの、全身への影響などで重視されています。欧米並みに歯を失わないヒントがここに隠されているのです。

治療か?予防か?

早期発見・早期治療か?再発徹底予防か?

一口に定期検診と言っても、目的や内容で結果は大きく違ってきます。世の中の定期検診、例えば、胃カメラや胸のレントゲン、車検、機器のメインテナンスなど。これらの目的は基本的には、疾病や故障の早期発見です。歯科医院の定期検診もむし歯、歯周病を軽度のうちに見つける意味もあります。
しかし、早期発見は疾病ができていることを意味するので、予防にはなっていません。

治療か?予防か?

北欧式先制防御型予防の目的はむし歯と歯周病の再発徹底予防です。だから、むし歯ができてないか一応、チェックはしますが、ないのが当たり前
それより、その前段階、つまり、むし歯や歯周病のリスクが高くなっていないかを診査します。リスク管理ができていれば、むし歯と歯周病は予防できます。

北欧式先制防御型予防における定期メインテナンスの内容

カリオグラムの確認
PMTC
歯石の除去
インプラントプロケア
エナメル質セラミック化トリートメント
3DS
フッ素塗布
シーラント
むし歯、歯周病リスクの再評価

カリオグラムの確認

カリオグラムとは個人のむし歯リスクを判定するソフトです。むし歯予防の分野で有名なスウェーデン王立マルメ大学、むし歯予防学教室のグンネル・ペターソン博士によって開発されました。カリオグラムの管理は北欧式先制防御型予防の2本柱の1つです。

PMTC

PMTCとは日本語で専門的機械歯面清掃と訳されます。スウェーデンの歯科医師ペール・アクセルソンが提唱した予防歯科医療の施術方法です。現在の予防歯科において、中心的な処置といえます。
当院の定期メインテナンスにおいても、最重要ポジションです。

歯石の除去

定期メインテナンスを受けている方はほとんど歯石は着きませんが、唾液腺開口部に近い、下顎前歯には歯石が着くことがあります。そのときは超音波器具やスケーラーなどで除石を行います。定期メインテナンスにおいて唯一、軽い痛みを感じる可能性があります。

インプラントプロケア

インプラントが入っている方には必須のメインテナンスです。当院で入れたインプラント、他院で入れたインプラントに関わらず、ケアをします。セルフケアの仕方に関してもほとんど同じです。歯ブラシや補助清掃器具を駆使して、歯垢(プラーク)を除去します。
 

エナメル質セラミック化トリートメント

これは、プラークやバイオフィルム、歯石を付着しにくくさせる予防処置です。
歯の表面にある細かい凹凸やざらざらをキレイに磨き上げます。そして、セラミックのようにツルツルにして、プラークが着きにくい環境にするため、非常に効果的な予防処置です。

3DS

薬剤をマウスピースに入れ、口腔内に輸送し、むし歯菌や歯周病菌を除菌する治療法です。実際の治療は定期メインテナンスとは別のプログラムになっています。
細菌検査でむし歯菌か歯周病菌が多い場合に適応します。3DSを受けた方はマウスピースのプチ除菌も行っています。

フッ素塗布

フッ素は歯の表面(エナメル質)をミネラルで修復し、再石灰化させます。C0と言われる脱灰期のむし歯はフッ素の作用で健康な状態に戻すことが期待できます。
さらに歯の結晶構造に取り込まれ、フロオルアパタイトという固い歯質にし、むし歯になりにくくします。

シーラント

乳歯、幼弱永久歯(生えてきたばかりの大人の歯)に行う予防処置です。むし歯の好発部位は隣接面(歯と歯の間)と小窩裂溝(噛む面にある溝)です。その溝に予防充填することで、初期むし歯を防ぎます。天然歯の弱点をカスタムメイドして、むし歯になりにくい状態にします。

むし歯、歯周病リスクの再評価

定期的にむし歯と歯周病のリスク検査を行い、再評価をいたします。予防を始めてしばらくは3か月に1度再評価をします。また、リスクの高い方も比較的、短期間で検査を行います。リスクが低く安定している方は1~3年に1度の再評価になります。
 

唾液検査から始めよう

唾液検査は5分間ガムを噛んでもらい、その間に分泌した唾液を採取します。以下の唾液検査項目からわかる4つのデータは重要です。なぜなら、その人の固有の数値であり、真のむし歯リスクデータといえるからです。プラーク量や食事回数、フッ素の使用なら、多少の努力で改善できます。しかし、唾液の量や質、細菌の数をご自分で変えるのはなかなか困難です。

唾液検査項目

唾液の量

唾液で歯の表面が湿潤していることがむし歯予防には重要です。
さらさらの唾液が口の中を循環すれば、常に洗い流す効果もあります。正常な唾液分泌速度は毎分1.1mlより多い値です。

唾液の緩衝能

唾液の量と並び、むし歯に大きく関与するのが、唾液の質です。
むし歯菌は糖を取り込んで酸を作り、歯を溶かします。この酸を中和する力が緩衝能です。pH5.5以下でエナメル質が溶け出すので、pH6.0以上の唾液が良質とされます。

乳酸桿菌数

乳酸桿菌はむし歯菌の一種です。砂糖、炭水化物の消費が多いと増える細菌です。よって、乳酸桿菌数で食事に含まれる砂糖、炭水化物量を推し量ることができます。また、古い金属の修復物が多いと隙間が乳酸桿菌のすみかとなるため、増えます。

う蝕菌比率

むし歯菌で最も代表的なのが、ミュータンス菌です。極端な話、ミュータンス菌がいなければ、歯を磨かなくてもむし歯になりません。それほど、ミュータンス菌とむし歯は密接な関係があります。総レンサ球菌中のミュータンス菌の割合で示します。

予防歯科・メインテナンスまとめ

最後まで「北欧式先制防御型予防システム」をお読みいただき、ありがとうございました。あなたの明るい未来は見えたでしょうか?
健康で楽しい老後を迎え、過ごすには歯の健康が必須です。人は皆、年をとるにしたがい、活動性が少しずつ下がります。そして、おいしいものを食べることが最後に残る楽しみです。インプラントでしっかりした歯を作るという選択もあります。しかし、予防で歯を残す選択が可能ならそちらの方がいいでしょう。しっかり噛める歯があるかどうかで人生の豊かさ、そして、終焉の迎え方は大きく違うものになると確信しています。

この内容に共感していただけるなら、まず、唾液検査を受けてください。そこからすべてが始まります。私はここ数年、ことあるごとに、予防の大切さを診療中にたくさんの人にお話しています。日常の歯科治療をしながら、いつも感じることがあります。それは『もう少し早く予防を始めてたら、全然違ったのに』ということです。誤解を恐れずに言えば、むし歯を治療した歯がたくさんになってしまったら、残念ながら手遅れです。でも、実際は来院される人の大多数はむし歯既往はもちろん、進行中のむし歯や歯周病がある人ばかりです。そこからでも、予防はできますが、手軽に、というわけにはいかず、ある程度の覚悟が必要です。だから、天然歯(全然治療していない歯)がほとんどの時点で予防を始めてほしいのです。

  これには、私の真の願いと狙いがここにあります。当院は小児専門歯科ではないので、新規でいらっしゃるお子さんは多くありません。しかし、むし歯フリーの予防は就学前から始めるのが理想です。少なくとも高校生、大学生には始めないと既にむし歯が存在することが多く、手遅れになります。
是非、その頃から、歯科医院で予防の定期メインテナンスを始めるようお勧めください。予防歯科によって、歯に悩むことなく、健康で幸せな人生を送る人ばかりになることを願ってやみません。もし、少しでもあなたに予防歯科の重要性が伝わったとしたら、こんなに嬉しいことはありません。